CSR(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)とは、企業が利益の追求だけでなく、環境や人権、地域社会への貢献などに対して主体的に責任を果たしていくという考え方です。
当院ではその理念のもと、フィリピンにおいて歯科保健衛生の普及活動に取り組んでいます。本ページでは、私たちが現地で行っている活動の一部をご紹介いたします。
当院では、医院メンバーが日々努力するその先に「何のために頑張るのか」という目的を明確にしたいと考えてきました。診療を通じて地域の患者さんに貢献することはもちろんですが、その成果がより広い世界へとつながる形を可視化したいという思いがありました。
企業理念である「人の役に立ち、地球に優しい歯科医院」を実践する一つの形として、海外の子どもたちへの歯科支援を開始しました。自分たちの努力が収益となり、その一部が学びや健康の支援へと変わる。さらに、交流を通して「ありがとう」という言葉や笑顔が返ってくる。その循環を、スタッフ全員が実感できる活動にしたいと考えたのです。
この思いの原点には、若手時代に影響を受けた清掃活動があります。人のために行う行動が、結果として自分自身の成⾧や自己肯定感につながる。その体験が、社会貢献活動を前向きに捉える礎となりました。
活動地域は、ラスピニャスです。首都マニラから車で約1 時間の場所に位置し、発展したエリアと生活水準に差のある地域が混在しています。
生活環境は一様ではなく、比較的整った家庭もあれば、家族で1 本の歯ブラシを使い回す家庭も存在します。甘い飲料や菓子類が日常的に摂取される一方で、学校での体系的な歯科保健教育は十分とはいえない状況です。そのため、むし歯が多い子どもも少なくありません。
ですが、子どもたちは非常に明るく、学ぶ意欲に満ちています。保健指導に対する反応も良く、活動を通して私たち自身が多くのエネルギーをもらっています。
活動は学校訪問と地域訪問の2 つを軸に行っています。
学校では、学年ごとに内容を調整し、むし歯の原因や歯みがき方法を分かりやすく解説します。
代表の子どもに壇上で実演してもらい、「今日から先生」として周囲に伝えてもらう参加型のスタイルを採用しています。体を動かしながら学べる構成にすることで、楽しみながら知識を身につけてもらう工夫をしています。
これまでに延べ約2,000 名規模の子どもたちやその地域の方々に歯科保健指導を実施しました。
歯ブラシは初回1,000 本、2 回目1,000 本、3 回目は3,000 本を用意し、デンタルフロスやプラークチェッカー、手鏡も配布しました。さらに管理栄養士が現地食材を活用した栄養バランスの良い食事を考案し、提供しています。
※なお、本活動は医療行為を目的としたものではなく、現地関係者の協力のもと、歯科保健教育および衛生啓発を中心に実施しています。
今後は、より多くの子どもたちに口腔の状態を知ってもらう機会として、無料歯科検診の実施を計画しています。一定期間ごとに検診を行い、むし歯がなかった子どもには少額のインセンティブを提供する仕組みを検討しています。
これは単なる報酬ではなく、継続的な口腔ケアへの動機づけを目的とした取り組みです。定期的な検診と予防意識の向上により、地域全体でむし歯が減少するという実績を積み重ねていきたいと考えています。
将来的には、その成果をもとに現地行政への提案も視野に入れています。一つの地域から始まった小さな活動が、国全体の予防意識向上につながることが目標です。
海外だけでなく、日本国内の子ども食堂などでも同様の活動を広げていく予定です。身近な地域への貢献も大切にしながら、国内外で「人の役に立つ歯科医療」を実践してまいります。
一人ひとりの頑張りが、誰かの未来を支える力になる。その実感を胸に、これからも活動を継続していきます。